発達障害グレーゾーン 四才までの成長期
芸能人の栗原類や勝間和代と聞けば「あ~あれかぁ」と世間にも認知されだした『発達障害』で、20~30年前までは周りで聞いたことはありませんでした。
いまの世の中有名人だと差別の視線ではなく有名人のプライバシーに触れることができたという肯定的な視線で見るのでしょうが、一市民だとなかなかそうもいかず、本人も家族も厳しい視線にさらされているのが現状です。
自分の身に起こった青天の霹靂とでもいうか、まさか自分の人生に起こるとは想像していなかった発達障害問題を持ってきたのが出戻り娘、次女の第1子でした。
孫は生後間もないし、娘がシングルマザーを選んだなら安定した収入を得て子どもを育てあげなくてはいけないので就職させ、私は娘の代わりに家事育児担当の道へと進むのですが…
発達障害グレーゾーンとは知らず、これからの育児がこんなにも大変だとは想像することなく楽観視していました。
この子はあまり夜寝ないなぁ…
昼夜逆転してるのかなぁ
自分の育児のときに長女も本当に寝ない子で、2回に1回は夜中の授乳後ずっと起きている、そしてまた次の授乳がやってくるのです。
今思えばあのシュチュエーションは症状の一つだと理解できるのですが、当時は発達障害というワードさえ聞かない時代で
何度も何度も同じことで叱らなきゃいけないジレンマに苦しみ
この子の頭の中どうなってるのか
口で勝てない親に精一杯の反抗をしているのか
本当に心底頭を悩ませました。
親は子どもが社会に出て困らないよう躾をするけれど、時として過剰になり親も本人もお互いに苦しみ、親子関係に亀裂が入ってしまう。
自分が親になって初めて親の有り難さがわかると昔から言うけど、子育てを通し子どもの立場と親の立場両方から学ぶことがとても多いものです。
孫の愛称はタクでタクちゃんと呼ばれています。
タクの授乳期2ヶ月を過ぎた頃、夕飯時台所から料理の匂いがすると、寝ていたはずの孫は目を覚まし、亀のように首を伸ばして匂いの方向に顔を向けていました。
タクは嗅覚が異常に発達してるんだといい方に思っていたのですが、テイクアウトの牛丼屋へ行くたび、とにかく空間に孫の首がグングン伸ばそうとするこの状況は、いま思えば異常な行動でした。
そして、タクと娘と一緒に食事へ行くと毎回号泣が始まり最悪な状況になるのです。そして娘はイライラして二度とこの子を連れて外食には行きたくないと言う始末。
とにかく我が子が落ち着くまで外に連れ出しあやす娘、テーブルに一人ポツンと座り娘を待つのですが、戻ってきたら料理は冷めてるという悲しい現状。
お座りができるようになると人混みに入ると大泣きが始まります。
抱っこしても泣きやまないし、生後半年の赤ちゃん片手の買い物は至難の業で、腕がもげるような痛みで肩はバリバリ連日全身筋肉痛です。
「そうだ、買い物は夜行こう」
娘が仕事から帰って子守を交代し買い物へ行くようになり、おかげで閉店近いとどんどん値下げが始まるので、かなり節約になりました。
いびきって男女関わらず疲れた日やアルコールが入った夜はいびきをかきやすいものです。
鼻疾患や肥満もいびきの元になりやすく、実は私アレンジー性鼻炎持ちで、大昔いびきをかいているのを義母に録音され聞かされたことがありました。
既に義母は他界してるので、今となっては何故そんなことをしたのか聞くことはできないけれど、やはり今だに不快な記憶として残っています。
大人になってレーザーで鼻の粘膜を焼き副鼻腔の掃除をし、漢方専門の医師から体質改善の食事指導以来、いびきから寝息に変わってきたのですが、娘が言うには疲れた日には再発しているようです。
自分のことはともあれ、当時院内介護で仕事をしていた娘は夜勤もあり慣れない職種で疲労困憊していたときのことです。
寝入りばなにゴ~ゴ~っといびきが始まると孫は目を覚まし「クスンクスン」と泣き出すのです。
繊細な子だなぁ...と思っていたのも実は発達障害の症状の一つで、孫は大きな音が苦手で恐怖を感じていたのです。
起きているときは五味太郎の「きんぎょがにげた」こぐま社の「こぐまちゃんシリーズ」が大好きで読んでいたのですが、好きな絵本も夜には声の音が邪魔をして入眠を妨げるようで夜間の豆電球レベルの光さえ、1才に月齢に達していない孫にとっては入眠の邪魔になっていました。
暗闇と無音の実行は、夜元気になる私にとっては永遠の苦しみとも思える息の詰まる日々でした。
そして孫が1才になると、自分の子育てのときには見たことがない不思議な光景が始まるのです。
1歳を過ぎたころ、車の助手席のチャイルドシートに座らせると、いつも大人しく隣を走る車をじ~っと眺めるようになりました。
隣にトラックが止まると穴があくほどタイヤを見つめる異様な様子。その視線に運転手さんが気づき、逆に運転席から運転手さんがうちの孫を見つめてる、なんていうなんとも面白い光景になることもしばしば起こり、この子は本当に車がすきなんだなぁ~と思っていたら、ある日我が子を見てた娘の爆弾発言が投下されました。
「ず~っと回ってるタイヤを見てるよ。もしかして発達障害の気があるかも」
なんて軽はずみな発言を我が子にするんだ~
心に怒りの気持ちがフツフツと湧きました。
子どもが動くものを目で追うのは当たり前。喜怒哀楽だってある。至って正常ではないか。私は娘の一言を打ち消そうと必死でしたが、ある時から孫の行動は疑惑の元を生むようになるのでした。
ある日、絵本を本棚からせっせと運んでいる孫。
夕方だし18時には娘も仕事から帰ってくるんで、とりあえずお気に入りのミッキーマウスのビデオをかけて、夕飯作りの時間稼ぎをしていました。
や~れやれ、これで夕ご飯の準備ができたと、1人で遊んでいた孫に目をやると、リビングのローテーブルの端にピッタリとついた絵本が見事一列に整列しているではありませんか。
こんな光景自分の子育ての時には見たことがなかったので唖然となってしまいまいましたが、こうも綺麗に整列してたら、ある意味得意な才能があるのではなかろうかと思うほどでした。
実はこれこそが発達障害の特徴の一つなのに、否定して何も気づかないバカな私でした。今更ながら頭が固くて無知な自分が本当に恥ずかしいです。
ところで整列は絵本に始まり、どんどん整列させる種類が増えていき、ミニカーの整列、積み木の整列、積み木は積むのではなく一次元の世界を表現してるのか、ひたすら物をビッチリとくっつけて一列に並べることに没頭するほど機嫌がよく、この列が何かの拍子に乱れると大変なことになるのです。
もしも並べた物に足が引っかかり少しでも列が乱れると火がついたように大泣きが始まります。整列のこだわりを乱された怒りの号泣は近所迷惑の何者でもなく
マジで泣きたいのは大人側のほうだと、いつも心のなかで泣いていました。
しかし、目の前で号泣しているのはまだ一才児。まともに諭しても理解できるわけもく、取りあえず気持ちをそらすのためにお気に入りのディズニーのDVDを回したりおやつを与えたり、なんとか気持ちが収まるのをひたすら待つのみでした。
元々子どもはエネルギーの固まりですが、発達障害の子は大人が精根尽き果てるほど泣くのです。
自分の育児経験は女の子だけで男の子は経験がないし意味不明な生き物に見えていました。
「男の子と女の子は違うよ。男の子は別物だよ」
男の子と女の子両方を育てた友人はよく言っていました。
男の子は糖分が切れると低血糖を起こして倒れしまうからと言っておやつをけっこう与えていた娘。
それが今の育児法なんだと言われれば、自分の子ではないから従うしかないので素直に従ってたのですが、ついに虫歯と闘わせる羽目になってしまいました。
自分も長女を育てたときに同居の義理の両親を説き伏せ、歯が生え揃ったら即フッ素を塗りに歯科へ行き、おやつは一日一回、虫歯になりそうな甘いおやつ、例えばガム、チョコレート、ジュース、飴などは3才まで与えず、民放放送視聴禁止(子どもにCMが良くないという理由で)教育関連のみで徹底して育児をしてきたので、いまだに虫歯ゼロで口腔内で患ったことはありませんし、暗記が得意で職場の昇任試験もトントン上がり悠悠自適に暮らしています。
しかし同じ姉妹でも次女は違う。絵本を読むとヘラヘラ笑っているだけで長女のときのように全く集中できない、2人目は時間もお金も長女のようかけてあげれないから仕方ないのですが、お決まりのパターンで挫折していくこととなったのです。
「何事もやったらやった分だけ、やらなかったらやらなかった分だけ」の結果となってしまいました。
しかしお金をかけたから良いというものでなく親は子ども触れ合って言葉を交わすことがいかに大切か、時間ではなく親子の触れ合いの密度が子どもの成長にとても影響するということだけは実感しています。
これについて書いていくと長くなるので、またの機会にさせてもらいます。
DVDとおやつに関しては、後々ストレスの元というか悩みの種となってしまうのでした。
どこの子育て中ママさん、ときどきパパさんたちも、時間の稼ぎ方については同じ悩みを持ってると思いますが、ご飯を作る時間をいかに確保するか、子どもをおとなしく待たせるにどうすれば良いか、これには大変苦労します。
タクが赤ちゃんの時は、お昼寝してる時間に夕ご飯の準備したかったけど、なんせ物音に敏感で直ぐに起きてしまうので、結局エルゴの抱っこ兼おんぶ紐を背負ってご飯作ってました。
抱っこ兼おんぶ紐のエルゴって慣れないと後ろに回すのが怖いのは私だけでしょうか。
安全面を考えてしっかり作ってあるようですが、まず腰に下のベルトを固定しエルゴにくるまれた子どもを前にして持ち「えいや!」っと回す神業私にはとても怖くてできません。
なので、ベッドにお布団を重ねエルゴにたくを入れて布団の上に置く
エルゴのたくの上に背中をあわせ慎重に起きて装着する。
そっちのほうが面倒だと娘はわらってましたが怖いものは怖いし、たくの通院時に娘が神業をやる姿を見たお年寄りたちは、一様にギョッとします。若いって怖いもの知らずで無鉄砲だけど、新しいことにチャレンジする原動力にもなっているので若いって素晴らしいです。
「人間新しいことへのチャレンジをやめると脳が老化する速度が早くなる」この言葉をずっと肝に銘じてこの年まできましたが、エルゴの装着だけはどうしても無理なようです。「この年って何歳だよ」と思った人は勝手に想像してください。きっと想像力がつきますね。
話し言葉って言霊を持っていてその言葉にはパワーもあり、マイナスの言葉を言ったり聞いたりすると運が落ちるそうです。言霊パワーで老化現象を少しでも遅らせたい私は「バアバ」とか「おばあちゃん」って呼ばれると気分的に違和感がいまだにあります。
世の中には自分の名前で呼ばせているおばあちゃんもいるそうで、さすがにそれだけは抵抗があったので、私の呼び名は「お母さん」娘の呼び名は「ママ」で通しています。友人たちからも、おばあちゃんていう年でもないよね~と言われるので、呼び名はそれで良しとしていたのです。
片言の時期が始まり、いわゆる難語というか最近は宇宙語ともいう「モジョモジョモジョ」何言ってるかわからない言葉をしゃべっている時は、きっとこの子はおしゃべりになるよ、なんて勝手に想像したり「マンマァ」「おかぁあん」になって、言葉が少しずつ出てきたときは大喜びで次は何をしゃべるかとても楽しみでした。
しかし成長するうちに疑問が湧き、ママがたくと一緒にいると周りのおばちゃんやお年寄りが話しかけてくるけど、私とたくのペアだと誰も話しかけてこないということでした。 「何でだろう、私コワい顔してるのかな」
「気持ちが顔に出てるよ」と娘に注意されたことはありますが、ある日レジの女性の一言で全てが解決したのです。
「いいねぇ、ママと一緒に買い物して」の言葉をかけられたとき、「ママじゃないけど」一瞬心が焦ると同時にピンときたのです。
「そうだ、超高齢出産だとみんな勘違いしてたんだ」
結婚がかなり遅かったので→高齢出産へ
避妊失敗して→もう一人頑張って生みました
この2パターンで、今までずっと「大変ねぇ~」って思われてたことにやっと気づいたのです。
今までの「なぜ誰も声をかけてこない」っという疑問の答えは、周りが変に気を遣って声をかけづらかったでしょう。
これ気にしたらどんどん気になってくるのが人間というもので、買い物中には「ママがお仕事から帰ってきたら、きっとお腹がぺこぺこだよ~」とか「ママに何を買ってあげようか?」など、周りに聞こえるように予防線を張るようにしました。
面白いことにこれを実践していくと、見事に声掛率が上がってきました。
タクはミッキーマウスの仲間たちがを見ていると機嫌が良いので、子育てママさんたちには有名なデイズニーの英語システム、Sing alongのCD4枚とDVD4枚セット、Talk alongのDVD12巻セットを中古で購入し、車の中でCDを流し、家の中ではDVDをつけていました。
ディズニー英語システムを1才半から与えていたのですが、1ヶ月ぐらいは知らん顔、中古で型落ちしてもディズニーの英語システムは結構お高いので、このまま無視だと辛いなぁ~っと思ってたのですが、そのうち画面の向こうで楽しそうに遊んでいる外国人のお友達に興味を持ち始めお友達の動きの真似をし、正確な発音と狂った音程のABC songを歌い出したのです。
「abcdefghijk」モニォモニォモニォモニォモニォモニォピィ
モニォモニォの部分は難しかったんでしょうね。思わず笑ってしまいました。
ディズニー英語システムをやっているお友達の様子やお父さんお母さんの感想が収録されている体験版DVDには、子どもたちが英語を聞き適切に答えることができて、尚且つ日本語も話せる多くのバイリンガルの卵たちが生まれているので「うちのタクもバイリンガルになれるかも」なんて淡い期待していました。
しかも幼少期からディズニー英語システムとともに成長し、大学の夏期留学でイギリスへ行った友人の姪っ子さんは全く英語での会話には困らないということだったので、これは絶対にやらねばと決めて全力で取り組んでたのですが、タクは予想を大きく覆してくれたのです。
興味があることへのこだわりが異常に強いタクにとって、言語のこだわりに脳が変換したのか、同年代と比べると日本語が滅茶苦茶、
挨拶は「Hello,How are you?」は言えても、「こんにちは、ご機嫌いかがですか」なんて日本語は出てこない、アルファベットは全部覚えても50音はなかなか覚えきれないのです。
3才になってやっと「ありがとう」「ごめんなさい」「おやすみなさい」など、シュチュエーッションと言葉が一致して簡単な挨拶ができるようになったもですが、「何歳?」「名前は何?」「これは何?「これは誰?」「どこにあるのかな?」「どうして?」など疑問文の返し方がなかなか理解できないのです。
反面英会話DVDで聴いていた英語「what′s this?」「Come on in」「let's go」など相手に行動を促す言葉は使い方も正しく使えるのです。
将来この特異な部分が伸びて社会で役立つ人間に成長して欲しいし、もしそうでなければ「あいつ変な奴だ」というただの変わり者扱いされ本人が苦しんでしまうので。
この国で生きていくには日本語が離せないと生きていけないし、お金持ちの家庭のようにインターナショナルスクールに通わす経済力は我が家には持ち合わせてない。
療育で一年半は遅れてると指摘され、タクのかかりつけの人気の小児内科のメンタル専門の先生に相談すると「大丈夫だよ。この子はね、混乱してるだけだから」「英語を止めて絵本を沢山読んであげれば1ヶ月もすれば変わってくるよ」「誰でも何かの障害を持っているから。たしかにタクちゃんは多動があるけど、大丈夫だよ」満面の笑顔でタクを見ている先生の心温まる優しい言葉に心の中で泣きました。
この日以来、大好きな英語をストップして日本語重視の絵本を毎晩の日課にすると、先生が言ったとうり徐々に変わってきたのです。本人が知ってる言葉を使って話すことが増え「これがぁ、ここで、クルクルって、なったのぉ」「しんかんせん、おうち、おなじ」「おやつ、せいゆー、かった」自分が知ってる言葉を繋いでコミュニケーションを取ろうと頑張るようになったのです。
一瞬頭がハテナになるのですが、大人側は今日の一日起こった出来事を掘り起こしつつ「今日お母さんと一緒にくるくる回って遊んだよね」って言い換えると「そうそう、お母さん一緒に、遊んだの」っと言えるぐらい進歩してきました。
タクはママがいると甘えからわざと困らせる行為も芽生え始めるのですが、ママと一緒にお風呂へ入るときに床が冷えていると入るのを極端に嫌がり、お湯で顔を洗えるけど水ではだめというこだわりで大変です。
会話しているといきなり脳の変換ミスも起こることはしょっちゅう起こります。
「もおぅ、わかってるのぉ」ママはいらいらしてるタクのへんじは「わかってるよぉ、アンパンマン」
こんな変なやり取りになったりして私たちを笑わせてくれます。 仕事から疲れて帰ってきたママが、我が子とのへんてこりんな会話で癒される瞬間があれば、完璧に話せないタクの存在は大きなものです。
少しディズニー英語システム新品購入のメリットについてお話ししましょう。新品を購入してお子さんが教材を破ってしまった場合、無償で新品と交換してます。またいろんなイベントがあったり卒業式もあったり、子どもさんの英語への興味はどんどん増していくと思います。
中古でも充分なのですが、中古には新品のようなオプションはついていません。
うちは中古を購入ですが、本人が満足して楽しんでくれているので本当に良かったです。
うちのタクはグレーでスローペースで成長していきますが、これがタクの個性
娘であるママと一緒にタクが楽しく生きていける環境探しの旅を歩もうと思います。
この続きをアップできる日までこのブログは温めます。
新しい遊びでしょうか。色鉛筆を繋いで機嫌よく遊んでいます。